カーテンの隙間から零れる眩しい光と


小鳥のさえずり・・ではなくカラスの声に起こされ


あたしは閉店した店のシャッターのように重たい瞼をこじ開ける。





覚醒していない頭を起こし、目覚し時計に目をやった。


7:30


まだまだ学校に余裕で間に合う時間だが


もう一眠り・・などと言って布団から出なければ


遅刻するのは目に見えている。


のっそりと布団から抜け出し、大きく伸びをした。


背が伸びるらしい。





食パンを手にし、トースターにセットしてから


冷蔵庫を開けようとした時に


乱雑に引きちぎられたメモ用紙が


扉にマグネットで貼り付けられているのが目に入る。





マグロのカルパッチョを買いに出る

夕方には帰る

KY.スクアーロ






「・・・は?」





走り書きされたそれを見て


今まで忘れきっていたこと、悪夢を思い出した。





昨日・・変質者出てきたんだった!!!!


夕方には帰るって、あたしの家なんですけどっ!


しかも、KY.スクアーロって何?!


空気読めないスクアーロ??・・確かに空気読めそうにないけどっ


普通、BY.でしょ!!





叫びたい衝動にかられたが


トーストの出来上がる電子音にせかされバターを塗る。


表面の焦げ目と柔らかなバターの味が


口の中で広がる。





朝食を十二分に堪能してから


ぎっしり中身の詰まった鞄を手に


きちんと鍵を閉めるのも忘れずに、あたしは家を出た。











Q