俺が黙り込んでいて 彼女はきょろきょろしていて 馬鹿はにやけていて そんな状況の中に 大きな扇子に乗って派手に登場する姉。 ものすごい突風と共に登場したので カンクロウ曰くたん☆は唖然としていた。 「ただいま〜」 何の変哲もないかのように テマリはそれだけ言うと自室へ篭った。 俺もカンクロウとその婚約者のことは とりあえず置いといて 読書でもして気分を落ち着けようと思った。 この胸のざわめきも 血が駆け巡るような感覚も 俺には見覚えが無くて。 これが何という症状なのか分からなくて むずむずしていたのだ。 「あ!さっき道案内してくれたのは、弟さんだったんですね」 立ち去ろうとする俺の耳に 彼女の声が届く。 今更かよ、と思いながらも 更に鼓動が早くなるのを感じた。 Q |