「不二くん・・ごめんね?」





放課後の教室でせっせとレポートを仕上げる周助と


その隣でそれを写す





「あたしが授業中寝ちゃってたから・・」





放課後に彼が部活へ行かずに


教室に残っているのは


、彼女が地理の時間に寝ていて


隣の席であった周助も連帯責任で


課題を課せられたのだ。





「別にいいよ」





にっこりと笑う彼に


連帯責任で更にレポートを写している自分に


罪悪感が募る





「ね・・レポート終わったらお礼に何か奢るよっ」





パフェとかアイスクリームとか


クレープとかたこ焼きとか


クリームソーダとか・・


彼女は思いつくだけのお礼の品を挙げた。





「フフっ・・全部さんが食べたいもの?」





漫画であったなら


ギクッという擬音語が書かれていただろう。


そんなの表情を見て再び彼は微笑んだ。





「奢ってくれなくていいから・・


ちょっと相談に乗ってもらえるかな」





居眠りの常習犯は目をぱちくりさせ


暫しの間固まっていたが


はっ、と我に返り頷いた。





「一緒にいて安心する


温かな気持ちで満たされる」





シャーペンを動かすことは止めず


周助は続けた。





「でも苦しいんだ


彼女が僕を見る瞳はトクベツなんかじゃない」





誰の話だとか告げられていないのに


の心臓は高鳴る。


それほどに綺麗な顔立ちで


彼女は真っ直ぐに見つめられた。





「不二くんは・・その人が好きなんだね」





自分に、そして彼に


諭すように少女は言った。


レポートだけを見つめる。





「フフ・・そうなのかな


でも幸せにする、なんて僕には言えないし」





声のトーンが低くなる周助。


はそっと、ゆっくりと


彼の横顔を見た。











8.たよりない笑顔だったから











少し触れただけで壊れそうな


壊してしまいそうな笑顔だったから。


彼女は言葉を失った。





「・・不二くん」





頑張って搾り出した声は


声とは言い難い音。


周助はシャーペンを止めた。


止めざるを得なかった。





さん・・?」





華奢な身体が彼を抱きしめていた。


急なことにしどろもどろだろうが


周助は表面には出さなかった。





「不二くんに好きになってもらえる人は


幸せだと思うよ、それだけで」





不二くんの好きな人が自分だったらよかったのに


そんなことまで思っちゃった、とは付け足した。





「それに、不二くんの笑顔って


幸せにしたいって思えちゃうもん」





すぐ近くに感じる彼女。


彼はそっとそれを引き剥がした。





「えっと・・ごめんね、急に抱きついty」





みるみる頬を火照らせていくは言った。


いつまでも見つめ合うことに抵抗があるのか


ぱっと目をそらした。





「謝らないで・・」





ぽつり呟いた周助は割れ物を扱う時のように


優しくの顎を掴んだ。


そっと触れるだけのキス。





「僕の好きな人が・・さんが


僕を幸せにしてくれるんでしょ?」





その言葉を聞いてから


は彼の好きな人が自分であったことに気付く。


静まった教室に窓から夕日が差し込んだ。











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ふふふふふふふふふ ( ゚,_・・゚)

紳士的な感じも好きです


それにしても・・

居眠リしてたら隣の席の人が連帯責任で課題とか

どうなんでしょうね

不二となら余裕ですが←


ココまで読んでくださってあリがとうございました


                                   Manaka