お正月ということで
は幼馴染でクラスメートで
お金持ち(←これ重要)な跡部邸を訪れていた。
家というか何というか・・
とにかく大豪邸な彼の家に
いつも通り唖然しつつ
リビング的な場所へ誘導されて今に至る。
まあ普通の家庭では見られないような
豪華すぎるリビングではあるけれど。
彼女はふかふかしたソファに座る。
「か・・金目当てだな?」
ソファに座る彼女の背後から
ずばり核心をついてくる彼。
「ちっ・・違うよっっ」
手をばたばた振って
頭もぶんぶん振って否定した。
景吾は鼻で笑って
小さな封筒、通称お年玉袋を
少女の頭上に乗せた。
「おふくろから、お前にって・・良かったな」
は頭上に置かれたそれを受け取り
彼を見上げた。
整った顔が自分を見下ろしている。
目が離せない。
「・・見つめてんなよ」
景吾は彼女の両頬に手をかけ
勢いよく押した。
「んむぅっ」
怪訝そうなに
「たこ」とだけ言って彼は去った。
その場に取り残された女子中学生は
重みのある封筒をしかと握り締め
跡部邸を出た。
自宅に帰ると
は鼻のむずむず感に襲われたので
ティッシュ箱を探し始めた。
あっさり見つけてティッシュ箱のふたを取り
ていやっ。と何故か気合十分に
ティッシュを引っ張り出した彼女。
その手に握られた一枚のティッシュペーパー。
「うわああああ!!・・・一枚だけ出せたっ!!」
は感動のあまり家を飛び出し
先ほどの帰路を引き返す。
もちろん向かった先は跡部大豪邸。
大きなドアをドンドン叩くと
めんどくさそうに彼が出てきた。
ティッシュ一枚を握りしめる少女。
景吾は意味が分からなかった。
「・・ティッシュ掴んで何してんだ?」
「景ちゃんっ、聞いて聞いて
開けたばっかのティッシュ箱から
見事一枚だけティッシュ取り出したの!!
普通がばって何枚も取れちゃうけど
あたしは一枚だけ取り出したの!!
そんなのレアだよ、珍しいよ
もう感動しちゃって
いてもたっても居られなくてっ」
問われるのを待っていたかのように
はマシンガンの如く喋りきった。
彼はぽかーんとした顔だったが
すぐにプリンス顔で言った。
「それで何だっつーんだよ」
・・・
木枯らしが横顔を吹きつけた。
彼女は冷静になり
握りしめたティッシュペーパーを見つめた。
「・・何だろ?」
ティッシュペーパーと彼女
という組み合わせが今更可笑しくて
景吾は声をあげて笑った。
「とりあえず・・
俺に会いたくての口実、ってことにしてやるよ」
幼馴染の彼は
未だティッシュを見つめる
の背に手をやり
再び家の中へ連れ込んだ。
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ごめんなさい
ヒロインちょっと抜けた感じ
これはこれで可愛いと思うんですけど
これ実話で・・
開けたばっかの箱から見事一枚だけ取リ出せたんですよ
その時の感動は半端なかったです (*´エ`*)
んまあ、感動秘話を語っていると
「そんなことで感動するとか、可愛いね」
なんて皮肉言われちゃったわけですが
とリあえずネタにしちゃいました
今回はちょっぴり季節感気にしてみたつもリです
ココまで読んでくださってあリがとうございました
Manaka