ナルトなんて嫌い。


大嫌い。





付き合い始めてから


初めての喧嘩。


あたしはもうぐちゃぐちゃで


止まることを知らない涙が溢れる。





下駄箱でしゃがみこんで泣いた。


どうすればいいのか分からなくて。


独りじゃ何も出来なくて。


そんな自分がとてつもなく嫌だった。


顔を上げて目に入る景色は、ほの暗く


いつの間にやら


ポツポツと音をたてて雨が降り出した。











Rain Rain











「傘・・・忘れちゃったのに」





誰にも聞かれないように呟く。


あたしはゆっくり立ち上がり


強くなった雨の中へ入っていく。


一歩一歩確実に足を動かしても


生きた心地がしないのは・・





誰のせいだと思ってるの?


頭から彼のことが離れない。





気付いた時には、また涙が溢れていて。


雨と一体化。





!!」





不意にナルトの声が聞こえた気がした。


ありえないと思いつつも、振り返る。


そこには、一番大切だけど


今は一番会いたくない彼がいた。





びしょびしょのあたしを見て


彼は無言で自分の傘にあたしをいれた。





「バッカじゃねえの?バッカじゃねえの?」





傘を持っていたハズなのに


あたし以上に濡れているナルトは言う。





「・・2回も言わなくても聞こえるよ」





彼が握りしめる傘の柄を押し戻しながら言う。





「びしょ濡れだってばよ」





また涙が頬を伝う。


だから好きなの。


あたしが意地張ってるのもお見通し。


ナルトは緩く笑った。





「・・・ごめんってばよ」





彼は俯いて呟く。


自然と手に力が入る。


本当、ごめんってばよ、そう言われるなり


あたしはナルトの腕の中に居た。





1つの傘の中で


懐かしい匂いと感触があたしを満たしていく。


幸せ。





ねえ、喧嘩してた理由なんて


もう忘れちゃったよ。


あたし何で怒ってたの?





「・・風邪ひくよ?」





何となく申し訳なく思う、あたし。


ナルトだけが悪かった訳じゃないのに。





「大丈夫だってばよ。


もし俺が風邪引いたら、付きっきりで看病してくれんだろ?」





彼は何かを企むような


悪戯っ子な顔を見せて笑う。


つられるようにあたしも微笑んだ。











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同じような作品を

以前に書いたような気がしてなりません

もしそうなら衰えたなあ 。・゚・(ノД`)・゚・。ああ


んま、仲直りネタは好物です

キス魔なあたしが今回はほのぼので止めてみました

相変わらず季節感はないんですけどね←


ココまで読んでくださってあリがとうございました


                                   Manaka