俺の隣を歩く彼女。
傍から見れば俺達は
カップルに見えるのだろうか。
そんなことを考えながら
ここ数日、想い人と帰宅しているのには
理由があった。
* * *
「最近、世の中も物騒になったようで
帰宅途中に狼に遭遇するという事件を耳にします。
そこで我が校では本日より
“女子生徒は近所の男子生徒を交えて帰宅する”
ことを義務づけます!!」
担任から全校生徒へ告げられる。
“一人歩きは避けましょう”という言葉は
世間一般的だが
“女子生徒は近所の男子生徒を交えて帰宅する”
などということを義務づける学校があるだろうか。
先生の発言の後
生徒達がざわつき始めたのは言うまでもない。
ただ俺はその時ばかりは担任に
いや、この青春学園に感謝した。
俺は気になるあの子
の近所に住む男子生徒
という地位を手に入れたのだ。
彼女は俺の周りでも人気があり
他の奴らに羨ましがられた。
俺は「どうでもいい」などと零しながら
内心、テニスで親父を負かすくらい嬉しかった。
「・・越前君、聞いてる?」
彼女の声で現実に引き戻される。
ごめん、と言うと
は再び話し始めた。
「先生は狼が出る、なんて言ったけど・・
狼は動物園に行かないと出会わないと思わない?
実際にこの辺歩いてたら怖いし」
俺は正直、無知すぎる少女に驚いた。
狼がここ(歩道)を歩くなんて
幼稚園児でも考えつかない。
担任は“危ない男”を狼だと例えたのだ。
「そ・・うだね」
笑いたくなる反面
無知な彼女に対する気持ちは膨らんでゆく。
俺が狼になりそうだ。
「なんで笑いをこらえてるの?」
目の前に整った彼女の顔が現れて
硬直する俺。
少しでも動けば触れてしまいそうな距離。
「先生の言う狼ってのはさ・・」
言いながらそっとの頬に手を伸ばす。
耐えられなくて思わず桜色の唇へ接吻した。
「えっ・・越前君???!!?」
驚きを隠せずにいる想い人。
それを尻目に俺は言い放った。
「狼は、危ない男のこと・・
ってゆうか男はみんな狼だったりするんだけど」
だから、気をつけて。
そう言おうとした瞬間
身体に伝わる体温。
彼女が俺を抱きしめt・・?
「越前君は狼なの?
それともあたしを守ってくれるの?」
送り狼ですけど何か?
「狼だけど、守るよ」
ふざけて言ってから
強く抱きしめ返して
ずっと言いたかった2文字を囁く。
「・・すき」
今もこれからも
他の狼からは守ってやるよ、
この越前狼からは逃れられないけど。
☆━━…‥・ ★━━…‥・ ☆━━…‥・ ★━━…‥・☆━━…‥・
読者様が居てくださるって実感すると
俄然やる気になリますよね (((p*′∪`q)))
ちょっとリョーマが・・
やっぱリ年上ヒロインにすれば良かったかな
最近になって文才ないなあと思います
毎回書き終えた後に思うんですけど ((笑
とリあえず新学期からは国語の授業も真面目に受けようかしら
←今まで寝てた人
ココまで読んでくださってあリがとうございました
Manaka