離れ離れになってから気付くの。
彼があたしにとってどんなに大きな存在だったか。
でもやっぱり遅すぎたんだね、あたし。
ユウは遠く離れて
もう二度と会えない。
ずっと伝えなきゃって思ってた。
でも伝えられなかった。
ユウのことがすき。
だいすき。
大好き。
迷惑だって分かってる。
あたし金魚のフンだもんね。
ユウにとってあたしは
ただの足手まといでしかないんでしょ?
それでもいい。
この想いを伝えられるだけで。
手紙を書き終えてから
文面を読み返す。
自分のことが何故か惨めに思えてきて。
手紙に涙が落ちて文字をにじませる。
涙が零れ落ちないように
上を向いて
気持ちを落ち着かせた後で
その手紙を引き出しの一番下に詰めた。
引き出しの一番下。
今ではもう紙くずでいっぱい。
この想いと同じようにすぐにでも溢れ出しそう。
送ら
れな
かっ
た手
紙の
束
昔書いた手紙を
大切に自分の心の扉を開けるように開く。
ユウが居ないと
あたし死んじゃう。
死んじゃうよ。
ユウのことで頭がいっぱい。
どうしたらいいのかな。
ユウにしか治せないよ、きっと。
彼がエクソシストになることを
引き止めれば良かった。
そんなこと自分にできるわけはないけれど。
あたしは引き出しの一番下に詰まった
自分の想いを両手で抱えて、庭に出る。
届かぬ存在となったユウのことを
忘れよう
忘れたい
忘れなければ
目をつぶってその紙くずに
ライターで火をつけた。
燃え上がる炎。
舞い上がる想い。
消えていく過去。
全部全部灰になって
醜くなって
「・・・何やってんだ?」
懐かしい声。
愛しい声。
あたしをここまで困らせて
悩ませて
狂わせた彼の声。
「ユウ?!・・・何でここに」
何でここにいるの
最後まで言えないままに
あたしの目から
また涙が溢れてくる。
そんなあたしを
優しくて大きな腕の中にしまってくれた。
優しくしないで。
諦めようと思ってたのに。
忘れようと思ってたのに。
ユウのこと、全部。
「忘れ物したんだ」
舞い上がったはずの焦げた紙くずが
あたしの髪の毛に落ちてくる。
それをユウは手にとった。
「お前の事好きだって伝えるの、忘れてた」
嬉しくて嬉しくて
彼をぎゅうっと抱きしめた。
「あたしもねっ・・ユウのこと」
あたしがいままで
想いを伝えられなかった理由が分かったよ?
ユウがいっつも言わせないようにする。
今回だけは唇を奪われて。
あたしから離れたユウを
唇を噛み締めるようにして見つめると
先ほどの焦げた紙くずを見せてくる。
すき
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“届カヌ思イ”の続きといったところでしょうか
ヒロインを幸せにしてあげたかったっていうのが
この話の本当の理由とか (´∀`*)ふふ
エクソシストを好きになると大変かも (;´∀`)
常に死と向かい合わせって感じだし
でもそ-ゆ-死と向かい合わせの職業の男の人は
かっちょいいです
憧れます
惚れます
ココまで読んでくださってあリがとうございました
Manaka