太陽は濃厚な雲に隠れ
吹き付ける風は冷たい。
木枯らしという名に相応しく
木々は枯れた葉を飛ばしている。
そんな中で、あたしは一歩一歩確実に
前へ前へと踏み出していた。
風に踊らされる雨の雫は
刃物のように鋭く、氷山の氷のように冷たく
あたしに降りかかって体温を奪う。
「俺さ、に頼みたい事があんだっ」
いつも通り楽しそうに言う岳人があたしの頭をよぎった。
その言葉が発せられたのは一年も前のこと。
幼い頃から傍に居た彼に、
いつからかあたしは淡い恋心を抱いていたのに
岳人の頼み事は
「好きな子が出来たからさ、協力してもらいたくて」
協力なんかしたくない、そう言いたくても
言い出せるはずがなかった。
あたしは「いいよ」と、軽く承諾した。
それからというもの、彼は毎日のように
あたしにその娘のことを話すようになった。
岳人の口から聞きたくなかった。
岳人に想い人が居ることが、この上なく嫌で。
でもそれを隠すために、この想いを偽り続けた。
「が協力してくれて助かるっ!!さんきゅーな」
感謝されたのに、全然嬉しくなんかなくて
むしろ「役に立たない」って言って
突き放してくれればいいのに、そう思ってた。
風は荒れ狂い、雨が窓に打ち付けられて
車のワイパーが動いた時みたいに
水の流れがはっきりと目に見える。
「・・もう無理、あたしやっぱ岳人の協力なんてできない」
口が勝手に動いていて、気づいた時には
「なんで」と問いたそうな岳人が目の前に居た。
あたしは唇を噛み締めて
泣きそうになるのを必死で堪えて
豪雨の中外へ飛び出した。
そんな豪雨も少しは安定してきて
濡れた頭で少し考える。
初めから、協力なんてしてやんなきゃよかった。
岳人なんて好きになんなきゃよかった。
思えば思うほど視界がぼやけて見えた。
ほろりと頬を伝った涙は一気に雨と混同して隠滅される。
「っ?!」
もう何も言わないで
どうしてこんな時に現れるんだろう。
このまま一人にしてくれてたら
あたしは諦めがついたかもしれないのに
彼を好きじゃなくなったかもしれないのに。
岳人は昔から優しくて
あたしのことを庇ってくれて
いつでもあたしの王子様だったのに。
ガラスの靴を履いたお姫様は
岳人のお姫様はあたしじゃない。
話し掛けないで
優しくしないで
もう何も言わないで
これ以上、岳人に惹かれたくない
辛いのはあたしなんだって分かっているのに
声のする方へ心が動く、足が動く。
意思とは関係なくこの想いは在りつづけるのでしょう。
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泣ける小説を書きたいと思ったのですが
無理みたいですね ( ゚ρ゚ )アウー
彼氏、もしくは彼女が死んで泣く
・・そんなのは書きたくないので
シチュエーションが限定されちゃうんでしょうか
個人的にヒロインの片想い嫌だっ
ドリームなんだから両想いが良い ☆d(^ω^)
ってゆうのがあたしの理論です←
ココまで読んでくださってあリがとうございました
Manaka