先輩を初めて見たとき
運命の相手だ
なんて柄にもないことを思った俺。
それが初恋だった・・・と思う。
俺がレギュラー入りして間もない頃
彼女に届け物を頼まれた。
手塚部長への差し入れ。
それを俺にあずけた時の先輩の笑顔は
今でも忘れられずに俺のココロの中にある。
彼女が去っていってから
残されたほのかな香りも
俺のココロを鷲掴みにした。
その後も先輩はテニスコートによく現れ
部長に差し入れを持ってきた。
彼女は部長の熱烈なファンか何かだと
思い込んでいた。
俺の思い込みだった。
本当は先輩は部長の彼女だったのに。
実る筈もない
報われようのない恋だった。
季節は巡り
俺は未だに彼女の事を忘れられずにいるのに。
いつも、いつまでも変わらない
先輩の笑顔。
「リョーマくんっ」
俺を呼ぶ彼女の声。
気持ちがバレないように
落ち着いた声で喋る。
「何」
先輩の手には手紙が握られていて
握る手は少し震えていた。
「これ・・・手塚に渡しといて」
俺は差し出された手紙と
先輩の顔を交互に見た。
「俺には荷が重いッスよ・・ラブレター?」
冗談混じりで言うと
彼女の目は潤んでいく。
今にも零れそうになるくらい
瞳に涙をためて先輩は言った。
「・・別れようと思って」
「え?」
俺には意味が分からなかった。
あんなに仲の良い部長と先輩が
別れるだなどと。
「それなら・・尚更自分で渡した方がいいッスよ、先輩」
俺は彼女に手紙をつき返した。
先輩は小さく頷いてそれを受け取った。
「リョーマくん・・ついてきて?」
何で俺が?
喉下まで出かかった言葉を押さえ込む。
俺は大人しく彼女について行った。
「・・・と越前」
テニスコートへ向かう途中の部長と鉢合わせ。
俺は軽く礼をした。
「手塚に話があって」
先ほどの手紙をくしゃくしゃになるほど握りしめ
俺の横で先輩は深く深呼吸をする。
「あたしっ・・リョーマくんのこと好きになっちゃった」
見ているだけで良いと思っていたのに
「なっ・・・?!」
驚きを隠せずにか
口が開いたままの部長。
彼以上に唖然とする俺。
今・・好きって。
俺のこと・・・好き?
先輩が、俺を??
「ごめんね、手塚・・でも自分の気持ちに嘘付けなくて」
先輩の方を見ると
堪えきれなかったのか涙を零している。
自分に寄りかかろうとする元彼女を
手塚部長は優しく引き離す。
「俺は彼氏じゃない・・お前はあっちだろ?」
そう言って部長が指差した先には俺。
彼に手招きされて
俺は足早に彼女のところへ向かう。
泣き崩れる彼女を
部長は俺に任せてくれた。
「ちゃんと部活来いよ」
それだけ言い残して
部長はかっこよく過ぎ去った。
俺の腕の中で
未だに泣きじゃくる先輩の頭を
ぽんぽんっと優しく叩いて。
「俺も先輩のこと好きッス」
そう言ったら不思議と笑顔がこぼれた。
こんなにも先輩の近くに居られるなんて。
こんなにも近くで先輩を感じられるなんて。
夢にも思わなかった。
見ているだけで良いと思ってた。
半分諦めかけてた。
それでも最後の最後で神様の存在を思い知らされる。
俺は忘れることが出来ないだろう。
最後に部長が残した言葉。
「を泣かしたら俺が許さない」
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んふふふふふふ Σ(゚Д゚≡゚Д゚)エッ?
ちょっとお褒めの言葉を頂いたので調子に乗って書いちゃいました
単細胞です、ごめんなさい
手塚夢も書きたいな-・・なんて思いながら
やはリ今回も年上彼女でリョ-マですよ
芸がないです (((( ;゚д゚))))あわわわわ
ココまで読んでくださってあリがとうございました
Manaka