ソファに踏ん反り返って


真剣な眼差しで見つめるのは、主婦の楽しみ昼ドラ。


といっても彼、ザク・アブミは主婦ではないし


もちろん主夫でもない。





彼女の家に遊びに来たのだが


相手にされなかったのでこの有様である。


しかし案外と奥の深い昼ドラ。


ザクはテレビから目が離せない状態だった。





彼女であるが篭ってしまったキッチンから


パリーンと皿が割れるような音と


ふんわりと甘い匂いが広がってきた。





昼ドラに集中していたいのも山々だったが


やはり彼女が心配なので


ザクは様子を見に行くことにした。





キッチンに一歩足を踏み入れると


開けっ放しのオーブン


皿やボールで溢れんばかりの流し場


割れてしまった皿を拾う


一気に目に飛び込んできた。





「・・何やってんだ?」





ザクの問いかけで、彼女は彼を見上げる。


破片を拾う手を止めて


「お菓子作り」とだけは言って、ふんわり微笑んだ。


今までお菓子を作る彼女を見たことがなかったので


女らしい、という感情で溢れた。





「結婚しよう」


「だっ・・だめよ」


「どうして、俺はこんなにも愛しているのに」


「わたしとあなたとじゃ、違いすぎるもの・・」


「そんなの関係ないだろ?!」


視聴率の稼ぎどころらしくBGM最大で


背後から付けっぱなしだった昼ドラの台詞が聞こえる。























「え・・?甘さ控えめにしてほしいの?」





割れた皿を全て拾い終えて、それを新聞紙に包みながら


彼女はザクに問い掛けた。


彼は甘いものが嫌い、というわけではないのに


大きく頷いて、甘さ控えめを主張した。





「ん、いいけど」





と零しながら、再びお菓子作りに戻る


ピンク色の可愛いエプロン姿の彼女の背中を


ザクは暫く見つめていたが


後ろの昼ドラの主人公達が良いムードなのを察し


お菓子を作る背中を抱きしめた。





「ちょっ・・危ないってば」





割れ物の入った新聞紙をゴミ箱付近に置き


危険を排除する。


pipipipi♪とタイマーが時間を知らせる。





「何で、甘さ控えめにしろって言ったか分かるか?」





そんなの分かんないよ、と首を振り


はタイマーに手を伸ばすが


無理矢理、彼の方を向かされ


その手は音を止めることが出来なかった。





「これ以上・・


以上甘いもんなんて要らねえから」





言葉の意味を理解する前に


彼女の唇をザクのそれが奪う。


後ろで昼ドラのエンディングが流れる。





甘い甘いひとときには


甘さ控えめのお菓子を。











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てか、これ誰やねん Σ⊂(゚Д゚ )

ザクじゃないザクじゃないザクじゃない


料理する彼女を邪魔する的なのが

書きたくなったんで、書きました

満足じゃないですけど、終わリです ( `・∀・´)ノ え


ココまで読んでくださってあリがとうございました


                                   Manaka